
生成AIによるブログ記事の生成
生成AIにブログ記事を書かせたい、でもプロンプトを組むのが面倒・・・そうだ!プロンプトも生成AIに作ってもらおう! をやってみました。
目次[非表示]
生成AIによるプロンプト生成
まず作成するブログ記事の構成は、弊社の他のブログ記事を参考にします。
そして生成AIへの命令文=プロンプトは、いろいろなサイトでサンプルが公開されています。今回は、bocek社が運営する「PROMPTY」からサンプルプロンプトを見繕ってインプットとしてみましょう。
PROMPTY | プロンプトエンジニアのための情報メディア
※サンプルプロンプトの利用・本ブログへの掲載に関しましては株式会社bocek様より許可をいただきました。快くご承諾いただきありがとうございます。
ChatGPTにプロンプトの作成依頼(自分で書く)
以下のような構成の技術ブログ記事を書きたいです。
https://biz.cns.co.jp/cns_tech_blog_beyond/c15
以下の3つの記事で紹介されているプロンプトを応用して、実践的な技術ブログ記事を書くためのプロンプトを生成して下さい。
https://bocek.co.jp/media/formula/making-document/6184/
https://bocek.co.jp/media/formula/making-document/390/
https://bocek.co.jp/media/formula/making-document/6359/
技術ブログのテーマは、「生成AIによるブログ記事の生成」とします。
生成されたプロンプト(ChatGPT-4o)
# 命令文
以下の条件に従い、生成AIを活用したブログ記事の執筆に役立つ技術ブログ記事を書くためのプロンプトを作成してください。テーマや構成を具体化し、読者が理解しやすい文章を心がけてください。
# テーマ
「生成AIを活用したブログ記事の生成技術とベストプラクティス」
# 記事の構成
- **タイトル**: 魅力的かつ簡潔なタイトルを作成してください。
- **導入**: テーマに関連する背景情報や問題意識を示し、読者の興味を引きます。(150~200字程度)
- **セクション1**: 生成AIの仕組みとその利点
- 内容例: 生成AIの基本原理、自然言語処理の技術、どのように活用されているか。
- **セクション2**: ブログ記事生成における生成AIの使い方
- 内容例: プロンプト設計のポイント、具体的なプロンプト例、生成精度を上げる方法。
- **セクション3**: 成功例と注意点
- 内容例: 成功した記事の事例、生成AIの限界や倫理的配慮。
- **まとめ**: 全体の要点を簡潔にまとめ、読者に次のアクションを促す。(150字程度)
# 制約条件
- 難しい専門用語は極力避け、簡潔でわかりやすい言葉を使用する。
- 漢字:ひらがな:カタカナの割合を「2:7:1」に保つ。
- 「です」「ます」調を使用し、親しみやすい文章にする。
- 各セクションは見出しをつけ、内容を200~300字でまとめる。
# 出力例
以下の形式でプロンプトを出力してください。
**タイトル**: [生成AIが変えるブログ記事執筆の未来]
**導入**:
生成AIは、ブログ記事作成を効率化する画期的な技術です。本記事では、生成AIを使って効果的にブログ記事を執筆する方法や、成功のためのポイントを解説します。
**セクション1**: 生成AIとは?
本文: [ここに200~300字でセクションの内容を記述]
**セクション2**: AIでブログ記事を書くプロセス
本文: [ここに200~300字でセクションの内容を記述]
**セクション3**: 成功例と注意点
本文: [ここに200~300字でセクションの内容を記述]
10行ほどのプロンプトから、このような詳細なプロンプトが生成されました。
プロンプトとは生成AIへの命令文です。何を生成したいのか、なるべく具体的に要望を伝えることが重要です。また、制約条件を設ける、構成や出力形式を指定する、出力のサンプルを提示する、といった方法で、質の高い出力を得ることが出来ます。このようにプロンプトを調整することで、出力の質を上げる方法を「プロンプトチューニング」と呼びます。
生成AIによるブログ記事生成
ただし、今回のテーマは生成AIによるブログ記事の執筆です。プロンプトチューニングに時間を掛け過ぎて、執筆時間が延びると本末転倒ですので、今回は生成されたプロンプトをそのまま実行してみましょう。
プロンプトをそのまま実行した結果(ChatGPT-4o)
タイトル: 生成AIで簡単!魅力的なブログ記事を作る技術とコツ
導入:
生成AIは、短時間で高品質な文章を作成できる新しいツールとして注目されています。
特にブログ記事の執筆において、構成や内容を効率的に生成できる点が多くの人々に支持されています。
本記事では、生成AIの基本的な仕組みや、実際の活用方法、そして成功するためのポイントについて解説します。
これを読めば、あなたも生成AIを活用して、魅力的なブログ記事を簡単に書けるようになるでしょう。
セクション1: 生成AIとは?その仕組みと利点
本文:
生成AIは、人工知能技術の一つで、特に自然言語処理(NLP)の分野で発展してきました。
この技術では、大量の文章データを学習し、文法や文脈を理解して人間らしい文章を作成することができます。
例えば、GPT(Generative Pre-trained Transformer)などのモデルは、記事の生成、質問応答、翻訳など幅広い用途に対応しています。
生成AIの利点としては、①迅速な文章作成、②大量のアイデア生成、③品質の高い文章を維持できる点が挙げられます。
これにより、作業効率が向上し、初心者でもプロフェッショナルな内容を作りやすくなるのです。
セクション2: ブログ記事生成における生成AIの使い方
本文:
生成AIを活用してブログ記事を作成するには、プロンプト設計が鍵です。
プロンプトとは、AIに与える指示文のことです。
例えば、「初心者向けの料理レシピについて簡潔で分かりやすい記事を作成してください」といった具体的な指示を出すことで、期待する内容を生成しやすくなります。
生成精度を高めるためには、①具体的なテーマを明示する、②適切なキーワードを含める、③生成結果を見直し、人間が修正する、というステップが重要です。
また、必要に応じてAIに複数回指示を出すことで、内容の精度をさらに上げることができます。
セクション3: 成功例と注意点
本文:
成功したブログ記事の例として、「旅行ガイド」や「商品レビュー」があります。
これらは具体的な情報や経験談が求められるため、生成AIと人間の編集が相性良く機能します。
しかし、生成AIは万能ではありません。
例えば、専門的な内容やデータが必要な場合、AIが誤った情報を生成する可能性があります。
また、倫理的配慮も重要です。
生成AIが生成した文章をそのまま使用すると、著作権やプライバシーに関する問題が生じることがあります。
そのため、AIが作成した内容を必ず確認し、必要に応じて修正・補足を行いましょう。
まとめ:
生成AIは、ブログ記事の執筆を効率化する強力なツールです。
ただし、プロンプト設計や生成内容の見直しなど、人間の手による調整が必要です。本記事で紹介した技術とコツを参考に、生成AIを活用して、魅力的なブログ記事作成に挑戦してみてください!
「生成AIによるブログ記事の生成」というテーマで、生成AIにブログ記事を書かせてみましたが、いかがでしょうか?最初に書いた10行ほどのプロンプトから、生成AIでプロンプト生成、生成AIでブログ記事生成とつなげることで、手間をかけずにこのクオリティのブログ記事が生成できました。
生成AI(ChatGPT)には、回答の揺らぎを制御する Temperature、Top Pといったパラメータがあります。今回はこれらを指定せず、そのままChatGPTにプロンプトを投げているので、回答に揺らぎがあります。つまり、同じプロンプトを投げても、毎回違う回答が出来上がるということです。生成されたブログ記事が気に入らなければ、プロンプトを何度か投げて、気に入った出力を選ぶ、という方法を取るのも良いでしょう。また、具体的に気に入らない点を指摘して修正させる方法もあります。
生成AIのハルシネーション問題
ただし、生成AIを使う際には「生成AIは嘘をつくことがある」という点に注意が必要です。今回生成したブログ記事もよく見直さないと事実に基づかない記述があるかもしれません。この問題は、生成AIがあたかも幻覚を見たように事実でない回答を返すことからハルシネーション(幻覚)と呼ばれています。このため、生成AIで下書きを作成した後に、人間がそれを確認しながら手直しするというひと手間が必要です。
では、なぜ生成AIは嘘をつくのでしょうか?
生成AIは本質的な意味で知識を理解しているわけではありません。確率的に高い単語を選び、一見それらしい文章を生成しているのが生成AIの本質です。このため、一般的によく知られたサンプルがたくさんある事例にはおおむね妥当な回答を返してくれますが、逆にニッチな領域、公開情報が少ない領域に関してはハルシネーションが起きやすくなります。知らないことでも確率的にそれっぽい文章を生成しようとするためです。
今回はブログ記事作成という単発の作業に生成AIを使用したため、人間が目で見てチェックすることが出来ます。ですが、ビジネスの中に生成AIを組み込んで、業務効率を上げる、顧客サービスを高度化する、といった用途を考えると、生成AIのハルシネーションは致命的な欠陥になりえます。
RAG(Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成)
ハルシネーションを抑えるには、プロンプトを工夫することで嘘の回答を減らすプロンプトチューニングや、特定の情報を与えてその情報から回答を生成させるグラウンディングという方法があります。グラウンディングを実用化した技術としてRAG(Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成)があります。
RAGは情報源からの情報検索と生成AIによるテキスト生成を組み合わせた技術です。ユーザの要望に応じた情報を検索し、その情報に基づいた回答を生成することで、ハルシネーションを抑制しようという仕組みです。
RAGは主に社内情報の検索や手続きの案内などのユースケースに利用されていますが、「外部から与えた入力を元に回答を生成させる」というのが技術的本質ですので、いろいろな応用ができます。何より、検索した情報を与えることで、生成AIが”知っている”知識だけでなく、外部に公開していない自社の独自情報を踏まえた回答を生成できるという点が強みです。
まとめ
今回は生成AIによるブログ記事の作成と、ハルシネーション問題、ハルシネーション対策としてのRAGシステムをご紹介しました。ChatGPTが登場してから数年で、生成AIという言葉を聞かない日はないほどに普及しています。今後のビジネスの現場でも生成AIの活用は避けては通れないでしょう。ChatGPTに聞けば答えてくれる、そんな単純な使い方ではなく、業務の中に、顧客サービスの中に生成AIをどう組み込んでいくか、どう使いこなすか、それが企業の競争力を左右する日も遠くはないでしょう。
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