OCI Architect / Developer Professional資格取得のための学習方法
「 OCI Architect Professional 」
「 OCI Developer Professional 」の資格取得について、
実務経験が豊富でなくても、机上での学習で合格するためのポイントをご紹介します。
目次[非表示]
- 1.略歴
- 2.取得した資格
- 3.ポイント
- 3.1.①まずはOCI Architect Associateレベルを根本から理解する
- 3.2.②システム設計の基本的な考え方を把握する
- 3.3.③問題を読みつつ回答内容を想定してみる
- 3.4.④リソースの仕様はパターンを覚える
- 3.5.⑤実務経験のない分野は、リソースの操作手順をイメージする
- 4.勉強方法
- 4.1.①Oracle Universityのラーニングパス
- 4.2.②OCIドキュメント
- 5.使用した教材
- 6.勉強時間
- 7.まとめ
略歴
はじめに、私自身の経験についてです。
- 2022年入社の社会人3年目
- 約3か月 AWS(基盤構築)を経験
- 約2か月 OCI(ネットワーク設計)を経験
- 約1年4か月 OCI・AWS(基盤要件定義、設計、構築)を経験
参考までに、設計/構築経験のあるものは以下です。
- クラウドリソース
- 仮想ネットワーク/LB/AD/DNS/IaaS/IAM(認証・認可)
- ツール
- Ansible/Terraform
- Ansible/Terraform
取得した資格
これまでに取得した資格と、取得日になります。
社会人2年目でペースを掴んできました。
- AWS Certified Cloud Practitioner(2022/8取得)
- Oracle Cloud Infrastructure 2022 Foundations Associate(2023/1取得)
- Oracle Cloud Infrastructure 2022 Architect Associate (2023/6取得)
- Oracle Cloud Infrastructure 2022 Architect Professional (2023/8取得)
※2022は筆記試験で、2023は筆記試験+実技試験があります - Oracle Cloud Infrastructure 2023 Developer Professional (2024/1取得)
本記事では、「 OCI Architect Professional 」「 OCI Developer Professional 」の資格勉強についてご紹介します。
ポイント
①まずはOCI Architect Associateレベルを根本から理解する
Associateレベルの問題や学習動画でリソースの基本構成と特徴を把握できたので、OCIの経験がまだない/もしくは多くないが、学びたいという方は、OCIについて全体的に学ぶことができるAssociateの資格勉強をすると良いと思います。
また各OCI資格のProfessionalの受験を考えている場合も、「OCI Architect Associateの受験をすること」、各OCIリソースは関連させて覚えた方が効率が良いかと思いますので「できれば各受験の期間はあまり空けないこと」をおすすめします。
「OCI Architect Associate」の資格取得については、こちらのブログにて取り上げています。
Oracle認定資格一覧(OCI)はこちらに記載されています。
(参考)2024/4時点のOCI Professional資格と内容
Oracle Cloud Infrastructure 2023 Architect Professional |
概要 |
基本的なインフラ設計全般 |
試験方法 |
実技問題あり |
|
Oracle Cloud Infrastructure 2023 Cloud Operations Professional |
概要 |
リソースの運用管理 |
試験方法 |
実技問題あり |
|
Oracle Cloud Infrastructure 2023 Developer Professional |
概要 |
マイクロサービスの展開 |
試験方法 |
選択問題のみ |
|
Oracle Cloud Infrastructure 2023 Security Professional |
概要 |
インフラのセキュリティ運用 |
試験方法 |
実技問題あり |
②システム設計の基本的な考え方を把握する
OCI各リソースには、可用性、耐障害性、拡張性を持たせるための設計思想が背景にあるため、あわせて理解すると、すぐ問題の意図を理解して解けるようになります。
実務経験の有無で理解度が変わってくるのはここかと思います。
設計・構築の実務経験が豊富でないと思われる方は、システム設計の考え方をバッチリ理解しておきたいです!
③問題を読みつつ回答内容を想定してみる
「回答の複数の選択肢から、より正しいものを選べるようになる」というより、「問題の文章で回答がイメージできる」くらいを目標に勉強すると、得た知識から実践まで落とし込んで考えられるようになり、知識が定着して資格勉強としても業務知識としても役立つと思います。
回答を確認して、その問題で何が言いたかったのかをすぐ理解できるかと思います。
④リソースの仕様はパターンを覚える
オブジェクトストレージやデータベースなど、リソースにはレベルがあり、より高性能なものを求めるとこういうことができるようになっていく、というパターンを把握して、リソースの仕様を一つ一つ覚えなくて良いようにしていました。
名前を覚えなくても、イメージで回答が推測できるはず…
⑤実務経験のない分野は、リソースの操作手順をイメージする
リソースの実際の操作イメージとして、ハンズオンの手順を読むだけでも良いので、どのように設定したら使えるのかを理解します。
構築、そして使用する手順をイメージできれば、頭に入りやすいです。
また、あるリソースに対して、別のリソースを組み合わせたらできるようになる、というような関連性を整理しました。
例:OCI Events+OCI Functions→リソースの状態を検知し、自動的に特定の操作を実行可能
さらに、こういう要件がある場合に、こうして組み合わせて利用するのが適切かも、と考えるようにすると、実務経験がなくてもカバーできます!
勉強方法
①Oracle Universityのラーニングパス
- まずスキルチェックや練習問題を解いてみる
実際の試験問題に近い問題がまとめられているため、回答率が7割を超えるようになればほぼ確実に資格取得できるレベルなのかなと個人的に思います。
-
動画は上から網羅するというより、「全く分からない」「イメージがつかない」ところから動画を視聴しつつ、ノートにまとめる
ノートには、リソース間の関係性・動作の流れのイメージ図を書いたり、構成図を写したりしました。
手を動かして図示して目で見た方が私は理解が早かったです。
実際に整理していたイメージ図です。
-
ハンズオンの教材は、個人の環境を持っていなかったので実施はせず、あまり知らないリソースのみハンズオン手順を確認して基本的な使い方を理解した
実装する手順の一部が出題されることがあるので、練習問題にでてくるようなトピックは意識的に確認しても良いと思います。
- 問題の回答はあるが、詳細な解説がある場合とない場合があるため、OCI公式ドキュメントやOracle Universityの動画を参照し、どうしてその答えが正解なのかを理解する
特に実務経験がない範囲やイメージがつかない範囲などの項目を選び、集中して取り組むのがおすすめです。
②OCIドキュメント
-
「重要」「ノート」の内容が出題されることがあるため、読む
(問題になっていたり、選択肢の一つに含まれていたりする)
ただドキュメントをすべて読みこむのは大変なため、技術動画同様に、慣れていないリソースやOracle Universityのラーニングパスで間違えた問題について、関連する分野を読むようにしました。
-
練習問題とドキュメントを照らし合わせながら、「選択肢のこの部分は合っていたけどここが違ったんだ」とか、「問題にこう書いてあればこの選択肢が正解だったのか」とか、考える
出題されているリソースの特徴が、違うリソースの特徴をいっていることもあるので、調べて確認していました。
関連している、似ているリソースをまとめて理解するのに良いです!
使用した教材
使用した時間の長さ順(体感)です。
- Oracle Universityのラーニングパス ※Oracleアカウントでのログインが必要です
使い方:勉強方法①記載の通り
- OCIドキュメント
使い方:勉強方法②記載の通り
- OCI活用資料集
使い方:リソースの概要が理解しきれないときや何度も同じような問題を間違えるときに読み、基礎を理解しなおす
- OCIチュートリアル
使い方:キャプチャとともに手順が紹介してあり、参照するだけでもかなりイメージが湧くため、触ったことのないリソースの実装イメージをつけるために読む
- 他、オンライン参考書
使い方:模擬問題を解き問題形式に慣れる
勉強時間
- Developer Professional
- 机に向かった時間は、トータル15時間ほどです。(+通勤時間で動画を少しずつ見ました)
- Architect AssociateやArchitect Professionalの考え方が基本にあり、Developerで肝心な要素といえる「Functions」「OKE」「APIゲートウェイ」などの開発系リソースに対しての勉強が主になったため範囲は広くなく、勉強時間はこの程度になったと感じます。
- なお、開発系リソースに触れた経験はほぼありません。
(Dockerイメージからコンテナを作成した経験が1件)
- Architect Professional
- 机に向かった時間は、トータル25時間ほどです。(+通勤時間で動画を少しずつ見ました)
- Professionalは、指定された要件に対して推奨される設計は?といったような考え方が重視されているイメージで、Associateの内容に追加の知識をつけていったため、Associateよりは勉強時間が短かったです。
個人的には、Architect Associateの勉強が上記2つの資格に共通して基礎になっていたので、そこに時間を割いて理解しきるとすんなり上位資格の勉強に入れるかと思います!
まとめ
勉強方法をいくつかご紹介させていただきましたが、資格取得をスムーズに進めるためのコツとして「自分に合った勉強方法を見つけること」「自分で時間を管理すること」「モチベーションを保持すること」も大切かと思います。
私は、モチベーションは資格取得によって会社から受け取ることができる資格手当でした。
ですが資格勉強をしたことによって自分の成長にもつながっています。
本文で述べておりますように、OCIの複数資格取得に向けて仕組みや背景を理解しようと学習を進めたことで、一時的でない業務にも活かせる知識を身につけられています。
業務で活躍するためにも、資格の取得は力になります。
資格取得の体験記、参考になりましたら幸いです。